会見で謝罪する日大アメフト部の内田正人・前監督(右)と井上奨コーチ=2018年5月23日午後、東京都千代田区、竹花徹朗撮影
アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京)で、日大選手が関学大選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、日大は23日、午後8時ごろから東京都内で緊急記者会見を開き、内田正人前監督が「私からの指示ではございません。ただ、スタートからゴールまで私の責任だと思っている」と説明した。
【特集】日大アメフト部違反行為
緊急会見には、選手に指示をしたとされる井上奨コーチの2人が出席。会見の冒頭で、タックルを受けて負傷した関西学院大の選手やタックルした日大の宮川泰介選手に謝罪をした。
井上コーチは定期戦前日の5日に「相手選手を1プレー目で潰せば(試合に)出してやる」という話をしたことを認めた。その理由について、「思いっきりタックルすることが、彼の課題だった。いつもと違うようなプレーをしてほしかった」「もう一つ上のレベルにいってほしかった」などと説明した。
一方で、「相手がけがをして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」と念を押したことについては否定。「一言一句覚えているわけではないが、彼にそういう(つぶせという)気持ちになってほしいと思っていた。QBがつぶれたら損とか得という話はしていない。定期戦がなくなってもいいという話もしていない」と話した。
内田前監督は選手に対し、悪質なタックルを「やらなきゃ意味ないよ」といったことを否定。「遠くから彼が来たが、なにをいっているかはわからなかった。近くにきて、帰って行ったのは記憶している。ただ、そのときに会話はしなかった。私はその言葉を言っていない」と語った。
日大の悪質タックル問題の経緯
5月6日 日大の宮川選手の悪質なタックルで関学大選手が負傷退場
10日 関東学生連盟が宮川選手と内田監督の処分発表
12日 関学大が抗議文送付を発表
14日 法大、東大、立大が日大戦を中止へ
17日 関学大が日大からの回答文書を公表し、「誠意ある回答とは判断しかねる」との見解
18日 この日までに他大学も日大戦をとりやめ、日大の春の試合がすべて中止に
宮川選手が両親とともに被害選手に謝罪
19日 日大の内田監督が関学大の選手らに直接謝罪し、辞意を表明
22日 宮川選手が謝罪会見。内田前監督やコーチから指示があったと証言
23日 日大が緊急記者会見。内田前監督、井上コーチが出席し「指示」を否定