オリックスの西野
(29日、プロ野球 オリックス8―5中日)
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オリックスは開幕2戦目以来となる勝率5割復帰がかかっていた。活路を開いたのは、くすぶっていた2人だ。
逆転された直後の六回、1点差に詰め寄り、なお1死満塁。代打を告げられたのは西野。147キロを強振し、左中間へ逆転の2点二塁打を運んだ。次の代打は小田。甘い変化球を中前に落とし、1点を加えた。
一気の逆転劇は、競争意識の産物だ。西野は4年目の27歳。一昨年は全143試合、昨季は100試合出場と実績はあるのに、今季は大城や新人の山足(ホンダ鈴鹿)ら若手の突き上げにあい、今月半ばまでの約1カ月半を2軍で過ごした。「いい選手がいっぱいいる。限られたチャンスを全力でやるだけ」と西野。ベンチスタートのこの日、一振りで結果を出した。
小田も4年目。代走や守備固めでの起用が多いが、17日には2年ぶりの打点をマークし、22日には1年目以来の本塁打を放った。走塁が生きる道、と思い定める28歳は打撃でも進歩を見せており、「チャンスをものにしてやろうと思っている」と言う。
「競争、競争しかない」。就任3年目の福良監督は今春キャンプから、幾度となく強調してきた。ロメロら中心打者の調子の波が大きく、派手さには欠けるが、競争意識はしっかりと働いている。ちょうど1カ月前、最大6あった負け越しをゼロにしたこの夜の勝利が、それを証明した。(竹田竜世)
●R・マルティネス(中) 六回途中5失点で降板。「たくさん点を取ってくれたのに悔しい登板になってしまった」
●森監督(中) 「(R・マルティネスは)スタミナが課題。そこを乗り越え、もうひと踏ん張りして欲しかった」