4月にリニューアルした「納豆パフェ」=水戸市笠原町の茨城県庁
茨城県庁25階の展望室にあるカフェの「納豆パフェ」が、4月24日に2度目のリニューアルをした。発売当初は月に1個あるかないかだった注文も徐々に増え、発売8年で看板メニューに成長した「名物」パフェ。新たな改良でさらなる伸びを目指す。
リニューアルした納豆パフェは、黒ごまが混ざったアイスの上に、生クリームと納豆が乗る。おすすめの食べ方は「しっかりかき混ぜる」こと。納豆の粘りで10センチ以上伸びることもある。
「水戸に納豆パフェがないのはおかしい」と、カフェの運営会社「燦食(さんしょく)」の赤木一成社長(61)が納豆パフェを誕生させたのは2010年。当時は、白ごまを混ぜたアイスの上に納豆を乗せていた。
納豆がトルコアイスのような粘りを生み出し「食感も合わせて楽しんでもらえる」と考えていた。だが、注文は月に1個あるかないかと伸び悩む。発売から約6年後、大豆の産地を北海道産から、より粘りの強い茨城県産にした1度目のリニューアルのころから徐々に人気が出て、今では月に約40~60個注文されるようになった。
今回、アイス納入業者から、白ごまアイスの取り扱いが中止になると伝えられ、これを機に味にアクセントをつけようと黒ごまアイスを選んだ。黒ごまは風味の強さと香ばしさがあり、納豆のにおいを中和する効果もあるため、良い組み合わせになった。
認知度不足もあり、5月の売り上げは従来と変わらなかったが、メディアに取り上げられたことも手伝い、6月に入ってからは月100個超のペースで売れている。パフェのうわさを職場の先輩から聞き、気になって訪れたのは石岡市職員の高橋麻友さん(24)。「よりおいしくなる気がするので、一生懸命混ぜます」と、パフェを必死でかき混ぜた。
水戸市によると、総務省の家計調査で、16年の水戸市の1世帯当たりの納豆への支出金額は全国1位。だが、17年に3位に転落し、同市は1位に返り咲こうと消費を促している。カフェの深沢恵美子店長(53)は「パフェで納豆の良さが伝わり、ランキングにも貢献できたらうれしい」。粘り強い戦いが続く。(松岡大将)