開幕戦が行われるルジニキ競技場の周辺で盛り上がる各国のサポーターたち=2018年6月14日午後、モスクワ、関田航撮影
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕に、開催国の人たちの興奮も高まる。日本国内でも4年に1度の祭典を楽しむ動きが広がっている。
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開幕戦が行われるモスクワのルジニキ競技場周辺には、午後2時の開門を前に、試合を待ちきれない多くのファンが集まった。開催都市はロシアの西側半分に集中するが、ファンは全土から駆けつける。マキシム・コビアジンさん(37)は「シベリアから来た。ロシア開催は一生に一度。何とか、これからチケットを入手したい」。
ロシア代表チームへの期待は決して高いとも言えないようだ。1980年代からサッカーを見続けてきたセルゲイ・ジダンさん(53)は、旧ソ連時代のユニホーム姿でやってきた。「あの頃は、国全体が代表強化に力を入れていて、五輪でも優勝した。でも今回は、グループリーグ突破できればいいかな」。まず決勝トーナメント進出を目標に挙げるファンが多い。
W杯開催を機に、多くの都市ではスタジアム建設をはじめ、大規模なインフラ整備が進められた。開催都市の一つ、ロストフナドヌーから姉妹で訪れた大学生のエカテリーナ・ザイチェンコさん(22)は「W杯のおかげで、町が発展した。大好きなサッカーも見られるし、最高です」
今年2月の平昌冬季五輪で、ロシアはドーピング問題に揺れた。だが、ウラジーミル・グリーネフさん(59)は「ロシアはいま、国際社会で悪く言われすぎている。百聞は一見にしかず。W杯では本当のロシアを見てほしい」。
夫婦で訪れたビクター・ボロビコフさん(61)も言う。「巨大な大会を開催できるロシアを誇りに思う。26年大会は3カ国共催なんだろ? ロシアは1カ国で立派に開催できる。素晴らしいことだ」(モスクワ=高野遼)