近未来人数予測の画面。都心部では250メートル四方の予測人数が数字で表示される。右上が渋谷駅周辺(NTTドコモ提供)
盛り上がりに欠けるとも言われるサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会。JR渋谷駅(東京都渋谷区)周辺でサポーターの整理にあたる警視庁も、人出を測りかねている。こうしたなか、NTTドコモが日本の初戦が行われる19日夜、人工知能(AI)を使った人出予測の実証実験を、同庁と協力して初めて実施する。
警視庁によると、初戦のコロンビア戦が午後11時ごろに終わる予定の19日は、渋谷駅周辺に最大で数百人の警察官を配置。交通規制はせず、実際の人出に応じてスクランブル交差点の斜め横断を禁止して事故を防ぐ。25日午前0時と28日午後11時に始まる第2、3戦は未明に終わるため、大会の経過をみながら警備態勢を固めるという。
スポーツバーが多いことなどから、過去にサポーターが斜め横断を繰り返したり、ハイタッチをして騒いだりするなど、トラブルが絶えない渋谷。雑踏警備にあたる「DJポリス」を投入するなどしてきたが、時間帯や勝敗に人出が左右されるため、警視庁幹部は「ハロウィーンや新年のカウントダウンと違い、過去の実績で予測できない難しさがある」と言う。
19日は、ドコモが7千万回線以上ある携帯電話ネットワークを生かした実証実験を予定している。基地局とつながっている回線数のデータなどをもとに人が集まっている場所を割り出す「近未来人数予測」と呼ばれるシステムだ。
同社によると、個人を特定できない形で250~500メートル四方の人の分布を推計。集団の広域的な流れを予測するAIと組み合わせることで、数時間先までの人出の予測が10分単位でわかるという。
エリアごとのタクシーの乗車実…