コーヒーベースの売り場=大阪市西区のライフ土佐堀店
牛乳で割るだけで本格的なカフェラテが手軽に作れる「コーヒーベース」が、次々に発売されています。自宅でコーヒータイムを楽しむ人が増えたため、飲料メーカーが開発に力を入れています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
ドリップしたコーヒーでさらにコーヒーをドリップし、濃縮していく。こうして出来たコーヒーベースは、商品ごとに異なるが、ふつうのコーヒーより4~6倍ほど濃い。
例えば濃さが4倍の商品なら、1に対し牛乳3で割るとカフェラテができる。好みで濃くも薄くもできるし、豆乳などで割ることもできる。コップ1杯当たり牛乳代を入れても50~60円ほど。コンビニなどで売られているチルドカップの商品より割安だ。
国内の大手メーカーではサントリー食品インターナショナルが先駆けだった。2016年、「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」の商品名で発売した。
自宅でコーヒーを飲む人が増えているが、同社の主力商品である缶コーヒーではない。ペットボトル入りのアイスコーヒーは、すでに先行品が多く、価格競争を招く。「勝負するなら新分野でと考えた」と振り返るのは、ブランドマネジャーの城坂由佳さん。
富士経済の試算によると、16年の「嗜好(しこう)系の希釈飲料」の市場は約60億円。サントリーの参入などをきっかけに、15年の1・5倍に伸び、18年は69億円になるとみる。ネスレ日本なども商品を投入している。
大阪市西区のスーパー、ライフ土佐堀店の飲料売り場の一角には、各社のコーヒーベースが並ぶ。売り場の担当者は、「マイボトルに入れて会社で飲む人も多いようです」と話す。グラノーラやアイスにかける、ゼリーの材料にするなど、飲む以外の楽しみ方も、各社が自社サイトなどで提案している。(伊沢友之)
雑味・酸味少ない豆を使用
サントリー食品インターナショナルの「ボス ラテベース」は、雑味、酸味が少ないアラビカ豆を100%使う。4倍濃縮で、定番品は無糖と甘さ控えめ、焦がしキャラメルの3品。バナナラテなどの季節限定商品も投入している。490ml入り(約10杯分)で198円。
牛乳たっぷりもコク深く
ネスレ日本の「ネスカフェ ゴールドブレンド コク深め カフェラテ用」は、たっぷりの牛乳で割っても、コーヒーのコク深さが感じられるように仕立てた。4倍濃縮で、無糖と甘さひかえめがある。490ml入り(約12杯分)で、198円。
10億個の乳酸菌で健康に
アサヒ飲料の「ワンダ 乳酸菌コーヒー」は、1杯で10億個の乳酸菌が摂取できるのが特徴で、「健康」をアピールする。カルピスの研究で見つけた菌株を使う。4倍濃縮で、無糖とやさしい甘さがある。490ml入り(約10杯分)で、198円。
「猿田彦珈琲」直伝の一杯
コカ・コーラシステムの「ジョージア ヨーロピアン 猿田彦珈琲(コーヒー)監修のコーヒーベース」は、首都圏で8店を持つ専門店の指導を得てつくった。エスプレッソ抽出のコーヒーを6倍濃縮した。無糖と甘さひかえめがある。340ml入り(約10杯分)で、188円。
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主なメーカーの商品を選びました。15日時点のライフ土佐堀店での税抜き価格。(きりとりトレンド)