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延長13回からどう戦う?タイブレーク、緊張する球児も

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高校野球のタイブレークのイメージ


高校野球の地方大会にもタイブレーク制が導入され、春の埼玉県大会地区予選でさっそく東農大三―熊谷工の試合に適用された。決着がつかない場合に延長十三回無死一、二塁から仕切り直すルール。第100回全国高校野球選手権記念南・北埼玉大会の開幕を前に、初めて経験した選手らに受け止めを聞いた。


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「これより、タイブレークに入ります」。場内にアナウンスが流れると、応援席がざわついた。試合は延長十二回を2―2で終えたところ。十三回無死一、二塁から仕切り直すタイブレークが適用された。


先攻の東農大三は先頭打者が犠打に成功。1死二、三塁としたが次打者が三振を奪われ、その次の打者も飛球で無得点で終わった。後攻の熊谷工は、犠打を試みた先頭打者が三塁手の悪送球で無死満塁に。動揺した投手の四球押し出しであっけなく試合は終了した。


敗れた東農大三には消化不良感が残った。


高広聖也監督(30)は「十三回から全く別の試合になった。延長戦でサヨナラのピンチを何度か好守でしのいでいたが、いい流れを切られた感じだった」。


主将の中川裕斗君(3年)は「十三回から考え方をガラッと変える必要があり、頭を使うので足が震えるほど疲れた。身体的、精神的疲労が増す夏の大会で的確に判断できるかどうか。納得して試合を終えるのは難しいかもしれない」と話した。


一方で、勝った熊谷工は好意的に受け止めた。


投手の小池颯太君(同)は、この試合で189球を完投。「会場が盛り上がりワクワクできた。夏は疲労がすごいし、試合が早く終わるならその方がいい」


5番の先頭打者高橋京吾君(2年)は、苦手な送りバントを任された。「普段なら打ちに行くが、1点取ればサヨナラ勝ちできる場面でチームの作戦に従った。かなり緊張した」


増田浩巳監督(56)は「ワンプレーごとにプレッシャーがかかる点が特徴的だった。自分たちが作り出した局面ではないため、『最悪2点まで許してよし』といった割り切りも大切と感じた」と語る。


県高野連の吉沢紀生会長(58)は、「今夏もタイブレークは十分起こりうる。平等に与えられたチャンスを楽しむことを意識してほしい」と話す。(山口啓太)



【高校野球のタイブレーク】 延長十二回で決着がつかない場合、十三回無死一、二塁から始める。打順は前の回から継続し、一塁走者は一つ前、二塁走者に二つ前の打順の選手が入る。決勝には適用しないが、延長十五回で決着せず再試合になれば適用する。


日本高野連が1月、投手の負担軽減などを目的に主要な公式戦に導入することを決めた。県内では、春の県大会地区予選から導入。過去3年間の夏の埼玉大会では、延長十三回以降までもつれ込んだ試合は2017年1試合、16年3試合、15年4試合あった。



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