サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会では、これまでスタジアムを訪れた100万を超す全ての観客が、ゴールの歓喜に立ち合っている。開幕から現地22日までの26試合で、0―0のスコアレスドローはゼロ。26試合目まで毎試合得点が入るのは、1954年スイス大会以来のことだ。
54年大会は参加チーム数が現行の半分の16で、決勝までの全試合数が26だった。戦後初めて出場した西ドイツが、当時世界最強といわれたハンガリーを破って初優勝したこの大会は、無得点試合は一つもなく、1試合当たりの平均ゴール数は5・4だった。
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【特集】2018ワールドカップ
今大会は26試合終了時点で1試合平均2・2ゴール。開幕戦こそ地元ロシアがサウジアラビアに5点の大差をつけたが、1点差が15試合、引き分けが4試合と、接戦が多い。
得点が途絶えていない理由の一つが、今大会から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の存在だ。
2018ワールドカップの試合日程・結果
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18日の1次リーグF組、スウェーデン―韓国の試合は、スウェーデンが後半にVARで認められたPKを決め、1―0で競り勝った。韓国の申台竜(シンテヨン)監督も「残念ながら、しかるべき判定だった」というファウルが、一度は主審に見逃されていた。
4年前の前回ブラジル大会では13試合目で最初のスコアレスドローがあり、決勝トーナメントでPK戦にもつれたものも含め、無得点試合は7試合あった。今大会、23日以降に残るは38試合。VARによって、54年大会以来の無得点試合ゼロの大会になるかもしれない。(菅沼遼)