後半、ベドナレク⑤のゴールで日本はポーランドに先制を許す。GK川島=長島一浩撮影
サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会の1次リーグH組で、0―1でポーランドに敗れながらも決勝トーナメントに進出した日本の闘いぶりについて、英公共放送のBBCは、自社ウェブサイト上の文字中継で酷評した。
【詳報】日本が決勝T進出 敗戦も、警告数の差で
日本が終了間近に得点を狙わず、後方でボール回しを続けたことを「(日本は)セネガルが得点を入れれば敗退するかもしれず、自分たちで得点すれば16強入りが確実になるのに、西ドイツ対オーストリア戦より奇妙だった」とし、1982年大会で談合疑惑がもたれた試合を引き合いに出した。
元プレミアリーグ選手の解説者は「最後の10分間は恥ずべきものだった。W杯で一番見たくないものだ。茶番に変わった」とコメントした。
ツイッター上で募った視聴者の反応も紹介。「恥ずかしいサッカーだ。フェアなプレーができないなら別のシステムが必要だ」といった批判があった一方で、「日本が悪いことは何もない。ルールが存在し、そのルールによってグループリーグ通過を決めた」と擁護する声もあった。
ロシアでも日本の終盤の戦いぶりには驚きの声が上がった。中継していたロシア国営テレビのアナウンサーは試合前半、「日本には世界的な点取り屋はいないが、規律がある」と日本代表の戦いぶりを高く評価していた。だが、ボール回しが始まると、「こんな試合の最後は見たことがない」「ここはワールドカップだよ」とあまりに守備的な戦術を嘆いた。
試合終了後の番組でも、司会者が「彼らは歩くこともせず、ただ立っていた」と酷評。「もうロシア人は日本を応援しない」と痛烈に批判した。解説者の一人は「ここは結果が一番大事だった」と擁護したが、別の解説者は「観客のことを忘れてはいけない。イエローカードの差で決勝トーナメントには進んだが、試合は美しくなかった」と司会者に同意した。
一方、ボールを奪いに行かなかったポーランドの消極的な姿勢も話題に。「彼らは勝利が必要だった。この結果は都合がよかった」と伝えた。(ブリュッセル=下司佳代子、モスクワ=中川仁樹)