8強入りを逃し、悔しい表情で整列に向かう銚子商の選手たち=千葉県
(18日、高校野球東千葉大会 成田6―3銚子商)
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春夏合わせて甲子園に20回出場している銚子商は攻めきれず、昨年に続き16強で敗退した。9安打を放ったが、守備が乱れて主導権を取り返せなかった。
「黒潮打線」と呼ばれた強打を誇り、一時代を築いた銚子商。その復活は地元ファンの願いだ。1965年の47回大会でエース木樽正明(元ロッテ)らで準優勝、74年の56回大会でエース土屋正勝(元中日)、好打者の篠塚和典(元巨人)らの活躍で優勝を果たした。しかし、2005年を最後に夏の甲子園から遠ざかっている。
現在の部員は3年生が15人、2年生が14人、1年生が28人の計57人。近年はOBの尽力で、茨城だけでなく岩手や神奈川からの選手が入部するようになった。
昨年就任した沢田洋一監督(37)も銚子商OB。「古豪復活に向けてOBの方々に協力してもらっている。今回は負けてしまいましたが、常に甲子園を目指しています」と力強く語る。いまは銚子市のスポーツ振興に携わる行政アドバイザーで、始球式を務めた71歳の木樽さんは「銚子の野球を盛んにして、もう一度、甲子園に行ってほしい思いがある」と話す。
今夏の主将の松山竜平(3年)は、「以前のような強打とはいかないかもしれないが、ガンガン攻めるチーム。冬も打力アップを目指してきた」と言う。「銚子の人たちは街中で自分らに『がんばれよー』と毎回、声を掛けてくれるんです。悔しい」。それでも、2年連続の16強はチームにとって貴重な経験だ。古豪復活に向け、ベンチやスタンドで体感した後輩には大きな糧になる。=千葉県(坂名信行)