ジャーナリストの青木理さん=山本和生撮影
国内初のカジノ解禁につながる統合型リゾート(IR)実施法案の参議院での審議が大詰めを迎えている。これまで何度も海外のカジノを楽しんできたジャーナリストの青木理さん(51)は、法案に強く反対している。理由を尋ねた。
僕はもともとカジノ好き。特派員として駐在した韓国ではもちろん行っていたし、フィリピンのマニラや、テニアン島にも。
カジノと出会ったのは入社2年目、千葉県の成田支局時代。休日を使った海外旅行がきっかけだった。
成田支局は(成田)空港の中にあったので、土日や短期間の休みがある時は、国内旅行より海外旅行の方が効率的。金曜夜に飛んで行って、月曜朝の便で帰ってくればそのまま仕事できるでしょ。あのころに誰かに誘われて通い始めた。
カジノは時計のない非日常的な空間で、外の世界と完全に隔絶されて時間を忘れられる。韓国のカジノは携帯電話も通じなかった。
カジノにはもうけようと通ったわけでなく、他では味わえない感覚を求めた。
ブラックジャックであれば、カードを見てヒットするのか、ステイするのか。場の流れと周囲の動向を眺め、カードの数字だけを追ううちに頭が空っぽになれる。ストレス解消だし、負けていくときにある種の快感みたいなものもある。
例えば、50万円を持ってカジノに行く。10万、20万円勝つこともある。そこでやめておけばって頭では分かっているんだけど、やめられない。結局負けが込んで、最後に残った1万円を賭ける時の敗北感と情けなさ。しかし、すっきりした気分にもなる。ある種の賭博中毒みたいなものにかかったのかもしれない。
政府が今国会での成立をめざす…