滋賀大会4日目の10日、皇子山と県立彦根の両球場で、1回戦計4試合があった。八幡工が序盤から得点を重ねて4―2で高島を下した。伊香は継投で八幡に6―0で勝利。伊吹が九回の長打で突き放して河瀬を4―1で破った試合は、両チーム先発が完投。光泉はフェントン・ライアン選手の3点本塁打などで彦根総合に9―5で勝った。11日も両球場で1回戦計3試合がある。
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幸せ 仲間の支えあったから 彦根総合・塩冶選手(3年)
彦根総合の左翼手、塩冶(えんや)亮太郎選手(3年)は先天性の重度の難聴だ。三回表2死満塁の場面。安打で出塁し二塁上にいた塩冶選手に、ベンチの中村昂暉(こうき)主将(同)から手を回すしぐさで指示が伝えられた。「打ったらホームインしろ」。その直後、西村明孝選手(同)の安打で一気に本塁へ。捕手のタッチをかわして生還した。満面の笑みでベンチに戻ると「おお」と叫んだ。
父親が野球好きで、小学4年のころに始めた。中学に入ると同級生らとの意思の疎通で苦労した。人工内耳を見られるのが恥ずかしくて丸刈りを拒み、髪の毛で隠したこともあった。3年の時、気持ちを切り替えて丸刈りを受け入れた。高校では同級生が大声で話しかけてくれたり、身ぶりを交えたりしてコミュニケーションを取ってくれた。
この日の試合は、ベンチに戻ると一塁手の西村選手が相手投手の球種などを身ぶり手ぶり説明してくれた。左翼の守備についた時は、遊撃手の羽根田利樹選手(同)の腕の動きを見て守備位置を変えた。
六回裏で交代すると、ベンチから仲間を応援し続けた。塩冶選手は「耳が聞こえにくいことをみんなが受け止めてくれた。たくさん助けてもくれたので続けられた。彦根総合で野球ができて幸せでした」と涙を拭いながら、最後の夏を振り返った。(北川サイラ)