家族連れなどで泊まりがけのキャンプに行く人が5年連続で増えていることが、日本オートキャンプ協会の調べでわかった。かつてのキャンプブームの時に子どもだった世代が子育て期となり、人気が再燃。楽しみ方も多様化しているという。
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同協会が7月に発表した白書によると、車を使ったキャンプを年1泊以上した人は、昨年840万人(前年比1・2%増)で、5年連続で増加。全国のオートキャンプ場利用者約1800人へのアンケートでは、「子ども連れ」が62・9%を占めた。
キャンプ経験年数は「1年」が19・4%、「2~3年」が20・2%と、始めたばかりの人が多く、1年間でキャンプに行った回数は平均3・5回。1泊2日のキャンプ費用(高速代・ガソリン代・キャンプ場使用料・食材など)は平均2万3860円だった。
キャンプは1990年代、車の普及や自然志向の高まりなどから空前のブームとなり、96年に1580万人を記録。その後下火となって、2008年には705万人まで減った。
しかし、ブームの時に家族でキャンプを経験した団塊ジュニア世代が40代となり、再び親子でキャンプを始める傾向にある。都会暮らしで「子どもに自然を体験させたい」という親も多い。キャンプを楽しむ女子高校生を描いた漫画「ゆるキャン△」も15年から連載が始まり、若者の関心も高まっているという。
また、一人で寝泊まりする「ソロキャンプ」や、あえて寒い中で過ごす「冬キャンプ」、SNSへの写真投稿など、楽しみ方も多様化。自然の中で豪華な食事や高級ホテルのような快適な宿泊が楽しめる「グランピング」も話題で、アンケートでは約3割が「興味がある」と答えた。同協会の明瀬(あかせ)一裕(かずひろ)会長は「一過性のブームではなく、レジャーとして定着してきた」と話す。
キャンプ用品の市場規模は前年比8・7%増の629億円で、20年ぶりに600億円台となった。協会は「ビギナーでも『インスタ映え』を意識し、高価格帯のキャンプ用品が好調だったことなどが理由」と説明している。(毛利光輝)