日本ボクシング連盟の一連の問題を巡って、山根明会長(78)が8日、辞任を表明した。一方、会長らを告発した団体は判定への介入について「新証拠」を公開。多くの疑惑は解明されていない。関係者からは組織の一新を求める声が上がる。
ボクシング山根明会長が辞任表明 「選手に申し訳ない」
山根会長「奈良判定なんてあるわけない」 取材に応じる
「私は本日をもって、辞任をいたします」。8日午後0時半ごろ、山根会長は大阪市北区内で進退を発表した。家族に相談し、「楽になってください」と言われ、辞任を決めたと明かした。現役選手に「申し訳ない」と謝罪。ただ、辞任の理由や一連の問題についての説明はなし。3分ほど一方的に話し、記者の問いかけには一切応じなかった。
その約2時間後、山根会長らを告発した「日本ボクシングを再興する会」が東京都内で記者会見を開いた。会のメンバーで、宮崎県ボクシング連盟副会長の菊池浩吉氏は辞任表明について「一方的な発言。逃げた、という印象。連盟の責任を感じていただきたい、と憤りを感じた」と非難した。
山根会長は連盟の副会長などを経て、2011年2月に会長に就任。12年10月にはアマチュアの競技団体としては異例の「終身会長」となった。スポーツ庁の鈴木大地長官はこの日、報道陣の取材に「遅きに失した感はあるが、一歩前進。ただ、これで終わったわけじゃない。選手がしっかり競技を続けられるよう、組織を整えないといけない」と述べた。次期会長人事については「(トップが)間違った方向に行ったら、『違うでしょ』と健全な議論ができる組織になってほしい」と注文をつけた。
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