レスリング女子で五輪4連覇中の伊調馨(34)=ALSOK=が、23日に中国・西安で開幕するアジア選手権女子57キロ級に出場する。2016年リオデジャネイロ五輪後初となる国際試合を前に、パワハラ騒動後の復帰までの心の内や、レスリングへのあふれんばかりの思いを語った。
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3月、取材に訪れると、伊調の充実ぶりが表情からうかがえた。「幸せですよ。今、自分がレスリングをやっている。何かに挑戦できることが幸せなんですよ」。かみしめるように語るのは、復帰までに様々なことを経験したからだろう。
女子個人種目では史上初となる4連覇を達成したリオ五輪後、休養に入った。18年1月からは、所属のALSOKでアスリートが在籍する教育・訓練部から広報部へ異動。会社員生活もスタートさせた。朝9時から午後6時の勤務に合わせ、東京・元赤坂にある本社に満員電車に揺られて通った。ただ、デスクワークの感想を尋ねると、「自分でもびっくりするくらい体を動かすのが好きなんだなと思った。会社の人、すみません」と苦笑いになる。
仕事を本格化させようとした矢先の2月、協会の前選手強化本部長によるパワハラ騒動が表面化した。東京五輪まであと2年。代表選考が本格化してくる時だ。休養前に引退か続投かを明言していなかった自身の去就にも世間の関心が集まった。
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