小型無人機ドローンを使った大統領暗殺計画に関与したとして、南米ベネズエラの最高裁判所は8日、前国会議長ら野党勢力の指導者2人の逮捕を命じた。2人はソーシャルメディアなどを通じ、関与を否定している。
逮捕を命じられたのは、フリオ・ボルヘス前国会議長とフアン・レケセンス国会議員。現地報道などによると、国内にいたレケセンス氏は身柄を拘束された。ボルヘス氏は隣国コロンビアに亡命している。
マドゥロ大統領は7日のテレビ演説で、事件直後に逮捕した容疑者6人から、ボルヘス氏らが事件に関与したという証言を得たと述べた。また米国とコロンビアに住むという別の容疑者の手配状を公表した。
ベネズエラの法律では、国会議員の不逮捕特権が認められている。だが国会より上位に置かれ、マドゥロ派で占められている制憲議会は8日、レケセンス氏ら国会議員2人の不逮捕特権を取り消す決定をした。
これに対し、ボルヘス氏は「ベネズエラの法律、憲法、人権に反するものだ」と批判。事件について「独裁に反対する者を弾圧するためのでっちあげだ」と語った。
暗殺未遂事件は4日、国家警備隊の創設記念式典でのマドゥロ氏の演説中に起きた。政府の発表によると、1キロのプラスチック爆弾を積んだ2機のドローンが大統領に接近し、爆発。マドゥロ氏は無事だったが兵士7人がけがをした。(サンパウロ=岡田玄)