(11日、高校野球 報徳学園3―2聖光学院)
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夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
一塁に頭から滑り込んだ聖光学院の主将・矢吹は、しばらく起き上がれなかった。九回1死一塁で投ゴロ併殺に倒れ、試合終了。「悔しくて情けなくて」。泥と涙で真っ黒になった顔をくしゃくしゃにした。
戦後最長の12年連続でつかんだ甲子園。だが、チームの強みだった機動力を発揮できなかった。同点の七回無死一、二塁で矢吹はバントを試みたが、三塁への飛球に。走者を送れずに好機がしぼむと、直後の八回に相手にバントを絡めて勝ち越された。チームで計3度のバント失敗があった聖光学院。矢吹は「後輩たちは勝てるチームを作って甲子園に戻ってきてほしい」と声を振り絞った。
人生のベストピッチ
聖光学院のエース衛藤は打たれた直後、笑っていた。「実力を出し切って打たれたら仕方ないと思った」。同点の八回、先頭の小園に外角の直球を完璧に捉えられ、この試合3本目の二塁打を許した。試合には負けたが、140キロ中盤の直球とチェンジアップで9回3失点。「人生のベストピッチ」を親や地元の兵庫の仲間に見せた。
●斎藤監督(聖) 「機動力といううちの持ち味が出せなかった。バント失敗が多く、10安打で2点だけ、10残塁という内容は残念。守りはよくやった」