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人の名前が覚えられない…健忘症の左腕、無失点の好投

(12日、高校野球福島大会 福島西5―0石川)


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健忘症という病気に苦しんだ石川の左腕佐藤瑠威君(2年)が、2番手でマウンドに立ち、無失点の好投を見せた。


入学早々に教室で倒れた。人の名前や顔を忘れては思い出すことを繰り返し、1年間苦しんだ。4点を奪われた後の二回途中から登板。4回3分の2を投げて、打者18人を1安打に抑えた。


ストライクをとると「ヨッシャー」と叫び、アウトをとるとガッツポーズ。野球ができる喜びを体現しているかのような投球だった。マウンド上でスコアボードの急速表示を見る余裕もあった。「114キロが出ていて、昨年より10キロ以上も上回っていてうれしかった。今までにない楽しいピッチングができた」と振り返った。


チームは負けたが、来年の夏もある。「きょうの投球は80点。打撃を鍛えて1勝、2勝、3勝と勝ち続けたい」と目標を掲げた。(田中基之)


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