11日午前8時35分ごろ、兵庫県加古川市平荘町中山の権現ダムで、「人が浮いている」と釣りをしていた男性から110番通報があった。県警加古川署員が駆けつけたところ、岸から数メートル沖に透明の衣装ケースが浮いており、中から若い女性の遺体が見つかった。県警は同日、死体遺棄事件として同署に捜査本部を設置し、殺人容疑も視野に捜査する。12日に遺体を司法解剖し、死因などを調べる。
県警によると、遺体の一部が衣装ケースからはみ出た状態だった。女性は20代とみられ、白いTシャツに白いズボン姿で着衣に乱れはなく、大きな外傷もなかった。死後数日以内とみられる。衣装ケースにはロープのようなもので重りがつけられていたという。
遺体が見つかったのはJR加古川駅の北約7キロの山中にあるダムで、周囲には公園やキャンプ場などがある。キャンプ場の管理事務所によると、湖岸沿いの道は早朝にランニングや散歩を楽しむ人も多いという。ただ、現場近くは比較的人通りが少ない場所で、管理員の男性(71)は「朝から警察の車が猛スピードで入って来て驚いた。日ごろは静かな場所なのに」と表情を曇らせた。
現場近くの工場で働く40代男性は「ダムには地域の外から釣りに訪れる人もいる。夜になると人通りもなく暗い。こんなことが近くで起きるととても怖い」と話した。