山口県周防(すおう)大島町で行方不明となり、3日ぶりに保護された藤本理稀(よしき)ちゃん(2)について、入院先の周東総合病院(同県柳井市)が17日、記者会見し、3日間ほとんど食べ物を口にしていなかったと推測されると説明した。現在は食事を完食し、脱水症状も完治に近いという。
西原寛之事務長によると、入院した直後のコンピューター断層撮影(CT)検査で、理稀ちゃんの胃に内容物がほとんど見られなかった。「大腸には内容物のようなものが認められたが、食べ物かどうかは分からない」と述べた。
現在の健康状態は「良好で食欲もある」という。17日昼はおかゆや春雨のスープ、白菜のおひたし、ゼリーなどを完食した。ただ、16日夕から38度前後の熱が出て、虫刺されなどによる細菌感染の可能性もあるため、抗菌剤を投与し、様子を見ている。
理稀ちゃんは15日朝、家族で訪れていた同町内の曽祖父宅から約560メートル離れた山林で発見された。病院に搬送された際は脱水症状がみられ、全身に擦過傷のほか、ダニなどの虫刺されが数十カ所あった。病院では子供用ベッドで起き上がったり、母親に抱っこされたりしながら過ごしているという。(具志堅直)