今季15本目も、「らしい」当たりだった。エンゼルスの大谷翔平は27日(日本時間28日)、ロッキーズ戦の四回、得意とする左中間へ逆転の3ランを放つ。「いいスイングができた」と、納得の打球だ。
大リーグ1年目の日本選手では、2005年の井口資仁(ホワイトソックス、現ロッテ監督)の本塁打数に並んだ。それより上にいるのは、03年にヤンキースで16本を打った松井秀喜と、06年、マリナーズで18本の城島健司だけとなった。
再び追う展開になっていた八回は無死一塁で左前へ運び、大量得点へとつなげた。4番に入るのは、今季7試合目。打線の中心として、申し分ない働きをした。それなのに大谷は、「シーズンを通してみたら、自分に与えられた仕事はできていない」と素っ気ない。
やはり、投げてこそ、二刀流であってこそ、との思いは強い。この日、試合前に、右ひじ故障後では3度目となる実戦形式の投球練習を非公開でこなした。球団によると、マイナー選手を相手に3イニング、計50球を投げ、33球がストライク。安打性の打球は1本もなかったという。
「すごくよかったが、次のブルペンと医療スタッフの分析を待ちたい」と、あくまでも慎重なソーシア監督とは対照的に、大谷自身は投手復帰への準備は終えたとの認識だ。「もう、いけますよ」。最短だと中6日をあけた9月3日(同4日)、マウンドへ戻ってくる。(アナハイム=山下弘展)