あと3週間余りで大リーグは公式戦が終わる。シーズンも終盤の4日(日本時間5日)になって、エンゼルスの大谷翔平は呪縛を解いた。「甘いところを、しっかり打てた」。六回、レンジャーズのマイナーから右中間に放ったソロ本塁打は今季、左投手から打った初めての本塁打だ。
大谷、16号を放つ 1年目の本塁打数で松井に並ぶ
第1打席は外角のナックルカーブ、第2打席は外角のスライダーを見送って三振を喫したものの、悲観はしていなかった。「(球の)見え方は悪くなかったので。1打席、1打席、進歩しているんじゃないかと思う」。言葉通り、本塁打は外よりに若干甘く来たスライダーを、逃さずとらえたものだった。
日米で正反対なのが、大谷の左投手との対戦成績だ。日本時代、左投手には打率3割9厘で、対右腕の打率2割7分9厘を上回っていた。大リーグでは右投手の打率3割1分1厘に対し、左投手は打率1割7分7厘。「昼と夜ほどの違いがある」とソーシア監督がこぼしていたほどだったが、確実な進歩を見せられた。
打者としての先発出場は4試合ぶり。この間、投手復帰を果たした。打球を当てた右手薬指と、腰のはりも快方に向かい、この日の試合前にはキャッチボールもこなし、次の登板への準備も進めている。「昨日(3日、日本時間4日)も出るくらいの気持ちだった。リズムはいつも通り」。投げて、打ってをこなしてこその、大谷翔平だ。(アーリントン=山下弘展)