10月に東京・豊洲へ移転する築地市場。その目と鼻の先で、一足先に4千人を超える大がかりな引っ越し作業が行われている。引っ越すのは、市場関係者ではない。下町風情が残る中央区晴海から東京駅近くに移転する総合商社・住友商事の本社と関連会社だ。こちらでも、20年近い付き合いの店主らから別れを惜しむ声があがっている。
住商が入居しているのは、3棟の超高層ビルが目を引く「晴海トリトンスクエア」。14日から順次、引っ越し作業が行われており、一部の部署は18日から移転先の千代田区大手町で業務を始めている。24日には作業が終わる予定だ。
住商関係者によると、昼ご飯や飲みに行く店は、社食以外では、同じビル内や最寄り駅の都営大江戸線勝どき駅近くがもっぱらだったという。
同じビルの3階にある手作り居酒屋「かっぽうぎ」の店長、佐藤晃さん(42)も残念そうだ。
お店は昼も夜も社員の利用でにぎわった。この数週間は、とくに住商社員からこう話しかけられた。
「今日が最後の日だから来まし…