スズキは26日、出荷前の自動車の排ガスや燃費を測定する検査で、測定データの改ざんがあったことを国土交通省に報告した。2737台の測定データで、何らかの書き換えがあったという。
改ざんが見つかったのは、新車の出荷前に排ガスや燃費性能を100台に1台の割合で調べる「抜き取り検査」という工程。スズキは8月、この工程で検査条件を逸脱した測定を有効なものとして処理していたと発表したが、その後の国交省の立ち入り検査で改ざんも見つかったという。
スズキによると、不正な検査条件による検査も新たに見つかり、これまでに6401台としていた不正検査台数が6883台に増える。問題の背景に、検査業務量に比べて検査員が少なかったことも判明。「再測定を行う余裕が無かった」と証言している現場の検査員もいるという。
国交省は、スズキに問題を徹底調査し、結果を報告をするよう指示。石井啓一国交相は「このような事実が社内調査で発見できなかったことは、スズキにおける対応姿勢に問題があると考えられ、極めて遺憾。不適切事案の全容解明について、厳正に対処する」とコメントを出した。(贄川俊)