独フォルクスワーゲン(VW)は10日、小型車「ビートル」の生産を終了した。1938年に初代が誕生してから約80年にわたる歴史に幕を下ろした。最後の生産を終えたメキシコの工場では、従業員らが記念式典を開いて別れを惜しんだ。日本での販売も今年中に終わる見通しだ。
ビートルは、ナチス時代のドイツの大衆車政策のもとで開発され、ドイツ復興の象徴にもなった名車。丸みを帯びたデザインで「カブトムシ」の愛称で親しまれ、2003年までの初代モデルは2152万台が生産された。現行モデルは3代目で、11年に登場した。
VWは電気自動車(EV)に経営戦略の軸足を移しており、ビートルも「モデルサイクルの区切りを迎えた」(VW日本法人広報)のを機に生産を終えることにしたという。(木村聡史)