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タント、高齢者向けに工夫 ダイハツが6年ぶり全面改良

ダイハツ工業が今月、6年ぶりに全面改良した軽乗用車「タント」を発売した。車体やエンジンを一新して大幅に軽量化し、安全性能を高めた。福祉車両の設計者の意見を採り入れ、高齢者や介助が必要な人が乗り降りしやすい工夫も施した。


新型タントには、急発進の防止や、車線をはみ出しそうになると自動でハンドルを戻すなどの、先端技術を盛り込んだ。助手席側には、手すりや乗降時に自動で出てくる踏み台を、補強工事なしでもオプションで付けられるようにした。旧型車でこうした装備を付けるには補強工事などが必要だったが、新型は設計段階から十分な強度を持たせた。希望価格は消費税込み122万400円~187万3800円。


奥平総一郎社長は東京都内で開いた会見で「(旧型の)価格を維持しながら性能を向上させた」と話す。


タントは助手席と後部座席の柱をなくしてベビーカーを出し入れしやすくするなど、これまでは子育て世代をターゲットに開発を進めてきた。だが最近では購入者の半数近くが高齢者だという。開発担当者は「高齢者が乗り降りしやすい車は、誰もが使いやすい」と話す。今後、他の車種でも高齢者の意見を踏まえた車づくりを進める方針だ。


主力車の改良を皮切りに、プラットフォーム(車台)の絞り込みを進める。今は7種類あるが、最終的には3種類にする。7~8割の部品を対象に共通化を進めて、製造コストを削る。軽自動車では、重量はこれまでより約80キロ減らせる。全体のコストは1割減る見込みだという。2025年までに売り出す21車種すべてを新しい車台に置き換えてゆく。


ダイハツは16年にトヨタ自動車の完全子会社になってから、トヨタブランドを含むグループの小型車の開発を任されている。特に新興国では安価で燃費のいい小型車のニーズが高まっており、車台の共通化で開発スピードを上げる。(米谷陽一)


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