アルバイトの不足や24時間営業の是非といったコンビニ業界の課題について、最大手セブン―イレブン・ジャパンの永松文彦社長に聞いた。永松氏は「24時間をやめたいと言っている店はマジョリティー(多数派)ではない」と強調。その上で「すべての店がうまくいくように努力する」と述べた。インタビューは、スマホ決済7pay(セブンペイ)への不正アクセスが発覚する前の、7月1日に実施した。
「7」の看板の灯、落としたセブン店主 でも仮眠は店内
――営業時間を24時間から縮める「実証実験」を3月から順次始めている。
「3~6カ月間、テストをする。営業時間を短くすれば、売り上げは下がる。単年だけでならまだいいが、年々減ることが一番恐ろしい。(時短の影響を)慎重に見極めないといけない」
「単に店を閉めればいいのではなく、作業の割り当てをどう組むのかも非常に大きな問題だ。午前1時に閉めて5時に開ける場合、作業や片づけを午前1時半に終えても、どう(自宅に)帰るのか。また、店を閉めると販売機会のロスという問題も出てくる。売り切るために、閉店前に品ぞろえが薄くなる。それがお客様からどう見えるか、という問題がある」
――時短を希望する店主は、望む理由を何と言っているのか。
「8~9割は人手不足を理由としている。ただ、(7月5日の時点で実施希望店は約230店、このうちすでに実施している店は85店なのに対し)全体では2万店余りある。24時間営業をやめたいといっている店が決してマジョリティーではない。現場を回ったが、店主からは『私は24時間を堅持します』という声を多く聞いた」
「ただ、マジョリティーでないからいいのではなく、すべての店がうまくいくように努力する。店主に病気や冠婚葬祭があれば、本部がフォローできる体制にした。従業員を派遣する制度の充実も図る」
――コンビニのビジネスモデルは揺らいでいるのか。
24営業の見直しは、店主から集めるチャージの率の引き下げは……。永松社長に尋ねました。
「大きな環境変化が起きている…