中止の可能性が取りざたされるサウジアラビア国営の石油会社「サウジアラムコ」の新規株式公開(IPO)について、同国のムハンマド皇太子が「2020年後半、21年前半を予定している」と述べた。中止を否定し、予定の18年から延期する考えを示した。米ブルームバーグ通信が同皇太子のインタビューを5日、伝えた。
サウジは石油依存からの脱却を目指し、上場で得た資金を経済構造改革にあてる計画で、実現すれば過去最大のIPOになる見込みだが、ロイター通信などが8月、関係者の話として計画が中止されたと報道。背景には、皇太子の父のサルマン国王の意向があるとしていた。
また、ムハンマド皇太子はインタビューの中で、ソフトバンクグループが17年に設立した10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について、追加で450億ドル(約5兆1千億円)を出資するとも発言。最初の1年間における出資が成功したとの見方を示した。(ダマスカス=高野裕介)