南米ペルーの検察当局は10日、アルベルト・フジモリ元大統領(80)の長女で最大野党フエルサ・ポプラルの党首、ケイコ・フジモリ国会議員(43)を資金洗浄の疑いで拘束した。現地メディアが報じた。逃亡の恐れがあるとして、10日間の予備拘束を裁判所が認めた。ケイコ氏側は「政治的迫害」と当局を批判している。
ペルーのメディアによると、2011年の大統領選にケイコ氏が立候補した際、同氏が率いるフエルサ・ポプラルの前身政党が、当選後の公共工事発注を見返りにブラジルの大手建設会社オデブレヒトから120万米ドルの違法な金を受け取った上、資金集めのために開いたカクテルパーティーの参加費を水増しする手口で資金洗浄した疑いがあるという。
ケイコ氏は10日朝、検察当局に出頭後、身柄を拘束された。裁判所はほかに19人の予備拘束を認めた。
拘束後、ケイコ氏のツイッターアカウントには自筆の手紙が投稿された。弁護士が持ち出したものを投稿したとみられる。手紙でケイコ氏は「法的な証拠もなく身柄を拘束された」とし、「先週は父への人道的な恩赦が取り消され、今度は私とフジモリ主義者たちが拘束された。これは政治的迫害だ!」と批判した。
ケイコ氏をめぐっては、最高裁が3日、恩赦を受けて釈放されていた父親のフジモリ元大統領について、恩赦の取り消しと再収監を決定した。(サンパウロ=岡田玄)