今秋のプロ野球ドラフト会議で、指名が期待されるホンダ鈴鹿の大型左腕・平尾奎太。2012年に春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭の優勝メンバーだが、当時は現阪神の藤浪晋太郎らの影に隠れた3番手。高校時代に発症した難病を乗り越え、大学、社会人で成長を続けた。
父健二さんも東北高、大商大を経て社会人のNTT北陸で11年間活躍した野球人。小学2年で野球を始め、当たり前のように甲子園を目指し、大阪桐蔭に進んだ。同級生には藤浪や、現オリックスの沢田圭佑がおり、「なんとか3番手に」と、練習に励んだ。
暗転したのは高校2年の秋。新人戦3日前のことだった。背番号「18」を着けてベンチ入りするはずが、一転、国の難病に指定される「IgA腎症」を患っていることがわかり、入院。医師に懇願し、投薬を続けながら翌年の1月に寮に戻った。
連覇した3年春夏の甲子園では、背番号「11」を着けた。藤浪や沢田に対しては、「追いつこうとか、抜かそうとか、そういう気持ちはなかった」。連覇を成し遂げた直後、再び闘病生活に入り、同大進学後も2年間は治療に専念した。
快方に向かい、マウンドに戻っ…