「児童の安全第一でつけたのに」「地震対策に水を差された」――。油圧機器大手「KYB」と子会社「カヤバシステムマシナリー」による免震・制振装置の検査データ改ざん問題。地震への強さを頼りにしていた建物の利用者たちに戸惑いが広がる。
免震データ改ざん装置1万本 交換終了に2年
データ改ざん免震装置、同じ型が「減災館」に 名古屋大
東京都中央区の臨海部に立つ高層マンション。不動産情報サイトでは「耐震補強工事済み」とあるが、データが改ざんされたKYB社製のオイルダンパーが使われた疑いがある。
2階に住む20代の男性会社員は「基準に合わない製品がついていたら怖い」、60代男性は「製品を交換してもらうしかない」と憤り、「神戸製鋼など大企業で製品データの改ざんが続くのは一体どういうことなのか」と話した。
多くの人が使う公的施設や商業施設にも波紋が広がる。東京都文京区立小学校の1校でもKYB社の製品が使われ、不適合品かどうか、区教育委員会が確認中だ。担当者は「児童の安全第一で装置をつけたのに残念だ」と不満を漏らした。
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