岩屋毅防衛相は20日、訪問先のシンガポールで韓国の鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相と会談した。韓国が今月開いた国際観艦式で自衛艦旗(旭日〈きょくじつ〉旗)の掲揚自粛を求め、海上自衛隊が護衛艦派遣を見送った件について、岩屋氏は「非常に残念だ」と抗議した。鄭氏も海自艦不参加を「残念」と応じた。
韓国軍艦、豊臣軍破った李舜臣の旗を掲げる 国際観艦式
旭日旗への反発、発端は? 「世論抑えられない」悪循環
韓国は観艦式の事前通知で、マストに自国と韓国の国旗を掲げるよう参加国に要請。日本側は受け入れられないとして派遣を断念した。ただ、韓国の軍事関係筋によると、観艦式では7カ国の艦艇が軍艦旗を掲げた。さらに、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が演説した艦艇は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に豊臣軍を撃破した将軍・李舜臣が使ったものと同じデザインの旗を掲げた。
岩屋氏は会談で「韓国自身が統一事項に反する旗を掲揚した。他の参加国に対しても方針の順守を求めなかった」と指摘し、再発防止を求めた。一方で「未来志向の関係を築いていきたい」とも述べ、防衛交流を続ける考えも示した。(シンガポール=藤原慎一)