トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された疑惑をめぐり、サウジ政府は20日、カショギ氏が総領事館内で死亡したと初めて認めた。サウジ人18人を拘束して取り調べているほか、情報機関の副長官や王室顧問ら5人を解任した。
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サウジ政府はカショギ氏が総領事館内で殺害されたとする疑惑を一貫して否定してきた。解明を求める国際世論が高まるなか、立場を一転させた格好だが、発表の内容を疑う声も出ており、事態が収束に向かうかは不透明だ。
サウジ検察当局などは、カショギ氏をサウジに連れて帰るために総領事館にいた数人の人物が館内でカショギ氏と口論になり、けんかが行きすぎた結果、死亡したとし、この人物らが事実を隠蔽(いんぺい)しようとしていたとしている。
国営通信によると、解任されたのはサウジ情報機関の副長官アフメド・アシリ氏や王室顧問のサウード・カタニ氏ら。事件の責任を問われた可能性がある。
発表は事件への関与が取りざたされるムハンマド皇太子には言及していない。関係者の過失と主張することで王室へのダメージを食い止めたい意向とみられる。
サウジ政府はこれまでカショギ…