英領ジブラルタル自治政府の警察当局は12日、シリアに原油を輸送しようとした疑いで逮捕したイランのタンカーの船長ら4人を保釈した。タンカーは差し押さえたまま捜査は継続するという。
タンカーは今月4日、自治政府が英海兵隊員らと拿捕(だほ)。船長らは欧州連合(EU)の対シリア制裁に違反した容疑で逮捕されていた。
イラン側は拿捕は違法だとして、報復も示唆。一方の英国政府はイラン沖を航行する英国船の警戒レベルを最高の3に引き上げている。また同政府は12日、ペルシャ湾に展開している英海軍フリゲート艦の定期点検に合わせ、別の駆逐艦を派遣すると発表した。駆逐艦の派遣は以前から計画されていたとしているが、イラン側が反発を強める可能性もある。(ロンドン=下司佳代子)