サウジアラビア政府に批判的だったサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の殺害疑惑で、サウジ政府が「けんかの末に死亡させた」と一転して関与を認めたことに、米議会や欧州から説明の不十分さを批判する声が相次いでいる。サウジ擁護をしてきたトランプ米大統領の発言にも、若干の変化が出始めた。

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英仏独の３カ国は２１日、「この殺害を正当化できるものは何もなく、可能な限り強い言葉で非難する」との共同声明を発表した。「包括的で透明性があり、信頼できる形で真実を証明するさらなる努力が求められる」とも訴えた。

米国では民主党のウォーレン上院議員が２０日、「トランプ氏がやるべきはサウジのプロパガンダ（政治宣伝）を後押しすることではなく、説明責任を果たさせることだ」とツイッターで批判した。与党・共和党のルビオ上院議員は、サウジの説明に「奇怪だ」と疑問を呈し、「責任ある者に制裁を科さないといけない」と述べた。

カショギ氏がコラムを書いていたワシントン・ポスト紙は２０日の社説でサウジの説明を「寓話（ぐうわ）」と表現。「この寓話をトランプ氏が信用できると言うことは、サウジ政権、特にムハンマド皇太子が責任逃れをする企てに力をかす、恥ずべき意図を明白にするだけだ」と批判。さらに、「あるのはサウジの露骨な隠蔽（いんぺい）工作と、トルコの大統領が政治的都合で即座に終結しうる捜査だけだ」と指摘し、国連などによる調査を求めた。

トランプ氏は２０日、「（最終的な）答えが出るまでは満足しない」と記者団に語った。トランプ政権は対立するイランの封じ込めや中東和平への協力という点でサウジを重要視している。だが、２０日のワシントン・ポストのインタビューではサウジ側のこれまでの説明に「ウソや欺きがあった」と批判した。トランプ氏がサウジを批判するのは珍しく、事件の黒幕とも疑われるサウジのムハンマド皇太子と距離を置き始めたともとれる発言だ。

また、ドイツのメルケル首相は…