大リーグのワールドシリーズ(WS)が、23日(日本時間24日)から始まる。前田健太が所属するドジャースは2年連続でナ・リーグを制し、最後の舞台にまで勝ち進んだ。30年ぶり7度目の頂点を前に、立ちはだかるのは5年ぶり9度目の王座を狙うレッドソックス(ア・リーグ)。両チームの対戦は1916年以来、102年ぶり2度目だ。
第1戦を翌日に控えた22日(同23日)、前田はレッドソックスの本拠、フェンウェイパークに初めて足を踏み入れた。1912年開場と、現存する大リーグの球場では最も古い。「すごく歴史のある球場。昔、松坂(大輔、現中日)さんが投げているのをよく見ていた。まさか自分がこの球場に来られると思っていなかったので、不思議な気持ち」と心を高ぶらせる。
昨季のプレーオフはリリーフで9試合、防御率0・84と活躍した前田は、今季も終盤に先発からリリーフに配置転換された。一度投げれば次の登板までリフレッシュの期間がある先発とは調整法も異なる。「正解は見つかっていない。トレーニングのタイミングとかも。試行錯誤しながら、自分が一番いい状態になるものを探しているが、基本的には疲れが残っていても、仕方ない」。割り切って、毎日のマウンドに向かってきた。
ただし、第1戦の朝に発表される25人のロースター(出場選手)に入れるかどうかは、まだ予断を許さない。ドジャースのロバーツ監督は、プレーオフに入ってから状態のよい選手を優先的に起用している。3年連続20本塁打以上の正捕手グランダルが攻守にさえないと見るや、リーグ優勝決定シリーズの第4戦からメジャー4年目のバーンズへ切り替えた。
前田はリーグ優勝決定シリーズ第6戦で2失点を喫すると、続く第7戦は出番がなかった。「投げられるかまだわからない。メンバーに入るかもわからないけど、去年は最後の最後でワールドチャンピオンになれなかった。今年こそはと、1年間戦ってきた」。不安と期待が入り交じった、神妙な表情で語った。(山下弘展)