西日本高速道路(NEXCO西日本、大阪市)の男性社員(当時34)が2015年に自殺し、その後、長時間労働が原因の労災(過労自殺)と認定された問題で、遺族が会社側に未払い残業代の支払いなどを求めていた民事調停が29日、大阪簡裁で成立した。会社側が遺族に謝罪し、解決金を支払うとともに、再発防止に向けた正確な労働時間把握や業務軽減などの措置を約束する内容で合意した。
遺族の代理人弁護士によると、男性は死亡当時、関西支社第二神明道路事務所(神戸市)で勤務。長時間の時間外労働が続く中でうつ病を発症した。調停では、男性が亡くなった社員寮のあった場所に慰霊碑を設置することでも合意した。
男性の母親は「過労死の報道は後を絶たず、遺族はそのたびに傷口を新たにしてきました。さらなる犠牲者を出さないためには、起きてしまった過労死の一つ一つを忘れず、時代への警鐘として記憶しつづけることが大切だと思います」とのコメントを出した。