解放に向けてご尽力頂いた皆さんにおわびし、深く感謝申し上げます――。シリアでの3年4カ月の拘束から解かれ、帰国して8日後。フリージャーナリスト安田純平さん(44)は2日、詰めかけた報道陣の前で、拘束時の状況や心境を詳細に語った。
「紛争地に行く以上は自己責任」 安田純平さんが会見
解放後初めてとなる記者会見。午前11時前、安田さんが会見場に現れた。帰国直後よりも短く整えられていたが、口ひげやあごひげはそのままだ。黒っぽいスーツに紺色のネクタイを締め、しっかりとした足取りで壇上に上がった。
席に着くと、ゆっくりと会見場に詰めかけた報道陣を見渡した。
まず司会者が「体力が回復しつつあるタイミング」と、この日の会見に至った経緯を説明。続いて立ち上がった安田さんは正面を見据え、一礼した。
「安田純平と申します。ご心配いただいた皆さんにおわびしますとともに、深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます」
さらに落ち着いた様子で、「私自身の行動によって、日本政府が当事者にされてしまったという点について申し訳ないと思っています。何が起こったのか可能な限り説明することが私の責任と思っています」と言葉を重ねた。
続いて、拘束から解放までの経緯を、時折思い出すように言葉を選びながら、約1時間50分にわたって説明。その後、記者からの質問にも答えた。
日本記者クラブの会見場には多くのテレビカメラが並び、用意された約200席は満席になった。安田さんの体調に配慮し、撮影時のフラッシュは入退場のみで、会見中はフラッシュをたかないようにとの注意事項があった。