日本政府は、韓国が自国の造船企業に国際ルールに違反する過剰な公的支援を行っているとして、世界貿易機関(WTO)に近く提訴する方針を固めた。問題視しているのは「大宇造船海洋」に対する支援で、日本政府は「市場をゆがめている」と是正を求めていた。
国土交通省によると、2015年に大宇造船海洋が経営難に陥った際、韓国は1・2兆円規模の金融支援を実施。その後も、受注拡大のための支援をした。今年10月24日には韓国・ソウルで国交省と韓国産業通商資源省の局長級会議があったが、韓国側は見直しを拒否している。
石井啓一国交相は6日の閣議後会見で「韓国の公的支援は市場を歪曲(わいきょく)し、造船業における供給過剰問題の是正を遅らせる恐れがある。局長級会議で友好的かつ迅速な解決を訴えたが韓国はこれまでの説明を繰り返した」と批判した。
日本政府は改めて二国間協議を6日中にも呼びかけ、決裂した場合にはWTOの紛争処理小委員会の設置を求める見通しだ。