世界貿易機関(WTO)は6日、インドが輸入する鉄鋼製品「熱延コイル」に緊急輸入制限措置(セーフガード)をかけたのはWTO協定違反だと認定した。日本側の主張をほぼ認めた。インドの輸入制限は2015年9月に始まり、日本からの輸出は大幅に減少していた。
日本の提訴を受けてWTOが17年4月に紛争処理小委員会を設置し、6日に判決に当たる報告書を公表した。日本などからの輸入が多い熱延コイルに対し、中国などの鉄鋼の過剰生産を理由にセーフガードをかけたのは不当だと認定した。また、インドは実際に輸入が急増していることや国内産業への損害が出ていることを証明する必要があるが、不十分だとした。(西山明宏)