外国人労働者の受け入れ拡大のために在留資格が新設予定であることを踏まえ、法務省が永住許可のガイドラインを見直す方針を固めたことが、関係者の話で分かった。現在は永住権を取得するためには日本に10年以上暮らし、このうち5年以上は「就労資格」などを持っていなければならないが、技能実習生や、新たに創設予定の「特定技能1号」で滞在している間はこの5年に含めないなどの方向で検討している。
永住許可、新資格には厳しく 技能実習は「帰国を前提」
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より技能が熟練した外国人を対象とする「特定技能2号」は、就労資格とみなすことを検討している。ただ、特定技能の在留資格は人手不足が前提で、この人手不足が解消した場合には在留できない可能性もある。就労資格と認める場合でも、こうした特性を踏まえる方向だ。
出入国管理法は、永住権を取得するために①素行が善良②独立の生計を営むに足りる資産や技能がある③永住が日本の利益に合する――の条件を課している。法務省はガイドラインを策定し、これらの要件について具体的に規定している。滞在期間の規定は③に関するガイドラインとして決めている。
技能実習生は在留期間が最長で5年のため、永住権申請の要件を満たすことはなかったが、技能実習生から特定技能1号に移行した場合は最長で10年の滞在が可能になる。(浦野直樹)