中部空港島(愛知県常滑市)でホテルの建設が相次いでいる。堅調な景気を背景に、ビジネス客や訪日外国人の増加が続いており、ホテル各社が客室の供給力アップに力を入れている。
空港島に今月1日、初の外資系ホテルが開業した。米マリオット・インターナショナルが展開する「フォーポイントバイシェラトン名古屋 中部国際空港」。このブランドのホテルは、全国で二つ目だ。
319室ある半分以上の部屋から海が見える。空港近隣という立地を意識し、飛行機の部品をバーやエントランスに設置したほか、ロビーなどの内装には常滑市特産の常滑焼のれんがを使った。宿泊料金は1万1千円台からで、マリオット系列ホテルでは比較的手頃な価格だ。エリア担当の幹部、ヴィクター大隅氏は「地元色も取り入れた。世界で1億人超の会員を持つメリットをいかす」。
このところ空港島では、ホテルの新設ラッシュだ。空港に直結するセントレアホテルは10月1日に新棟が開業。12階建て221室の1棟だけだったが、11階建ての160室をオープン。サンリオと提携し、新棟の2部屋で人気キャラクター「ハローキティ」を壁一面にあしらった。「アジアでハローキティは人気があるので、観光客を取り込みたい」(広報)
東横インも来春の完成をめざして新棟を建設中だ。現在の棟は1001室で、単館としては全国の東横インの中でも最大だったが、新棟はそれを上回る1286室になる。
空港初となるカプセルホテルも昨春開業し、早朝や深夜の発着が比較的多い格安航空会社(LCC)の利用客にとっての利便性を高めた。
中部空港は旅客数が増えており、2017年度は訪日客の増加などで前年度に比べて5%増の1153万人と、6年連続のプラスだった。18年度は1300万人を想定し、実現すれば開港した直後の05年度(1235万人)を超え、過去最高を記録する。周辺では大規模な国際展示場の開業を控え、これもホテル需要拡大には追い風となりそうだ。(友田雄大)