安倍晋三首相は14日午前、シンガポールとオーストラリア、パプアニューギニアの3カ国歴訪に向け、政府専用機で羽田空港を出発した。
同日午後にシンガポールで行われるロシアのプーチン大統領との首脳会談では、平和条約の締結や北方領土での共同経済活動などについて話し合う。
シンガポール訪問には、外務省の秋葉剛男事務次官が同行しており、プーチン氏との首脳会談に同席する予定。外務次官が首相の外遊に同行するのは異例だ。
安倍首相は出発前、羽田空港で記者団に「70年以上解決されてこなかった平和条約の問題について、必ず解決をしていくとの強い思いのもと、交渉をしっかりと前進させていく決意だ」と述べた。
会談は、プーチン氏から9月、前提条件なしで平和条約を締結しよう、との提案を受けてから初めて。北方四島の帰属問題の解決を前提とする日本政府の基本方針と異なるため、首相がどう対応するかが焦点となる。
首相は、シンガポールでは東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議、パプアニューギニアではアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、18日に帰国する。16日には豪州北部のダーウィンを訪問し、豪州首相に8月に就任したモリソン氏と初の首脳会談を行う。