滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で、訓練中に発射した迫撃砲の弾が国道脇に着弾した問題で、山田宏・防衛政務官が15日午前、高島市役所を訪れ、福井正明市長に「大変ご迷惑をお掛けし、心からおわび申し上げます」と謝罪した。
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山田政務官は市長らを前に頭を下げたうえで、調査委員会で事故原因を調べ、再発を防止する考えを表明。別の迫撃砲弾2発が見つかっておらず、捜索中であることも報告した。
福井市長は2015年7月に同演習場で銃弾1発が演習場外の民家の屋根を貫通した事故に触れ、「(事故が)再発したのは痛恨の極み」と述べた。そのうえで、同演習場での迫撃砲弾を含む全ての実弾射撃訓練の中止を要請した。また、市への連絡が事故発生から約4時間後だったことにも苦言を呈した。
会談後、福井市長は報道陣に対し、3年前の事故を踏まえて締結した覚書に基づき、16日にも実弾射撃訓練の中止を文書で要請する方針を明らかにした。また、山田政務官は報道陣に「真摯(しんし)に対応する」と話した。(松浦和夫)