中米からの「移民キャラバン」の参加者2千人以上が集まっているメキシコ北部の米国境の街ティフアナで18日、キャラバンに反対する人々が集会を開いた。500人以上が移民希望者の避難所までデモ行進し、一部は警備の機動隊と衝突した。
集会は市中心部で行われた。呼びかけ人の一人、自営業のエドガー・マルティネスさん(43)は「非合法移民が大量に集まっており、治安や経済がどうなるのか心配している。米国と仕事をしている人もたくさんいるこの街で、不法移民を理由に国境を閉じられたら、血管を切られるのと同じだ」と語った。
集会に参加した会社員アレハンドラ・ガルシアさん(52)は「彼らは移民ではなく、侵略者だ。国家主権の問題で、不法入国者を政府が支援するのはおかしい」と話した。
参加者たちは避難所まで行進し、機動隊ともみ合う中、「メキシコ人の貧困層を支援しろ」「不法移民は出て行け」などと叫んだ。
多くの移民希望者はこの日、避難所から出なかった。ホンジュラスから来たベイア・カルタレーロさん(20)は「私たちは問題を起こしたくて来たわけではない。ただ助けが必要だということを理解してほしい」と話した。避難所の中では、泣いていた人もいたという。
一方、支援を訴える人々も近くの広場で集会を開いたが、参加者は10人ほど。反対派のデモが近づいてくると、襲撃の危険があるとして解散した。支援を訴えたティフアナ市議、マヌエル・ロドリゲスさん(39)は「この町は差別者の集まりではないと示したかった」と話した。(ティフアナ=岡田玄)