武田薬品工業は21日、アイルランドの製薬大手シャイアーを買収する計画について、欧州連合(EU)の欧州委員会から承認を得たと発表した。主な国、地域からの承認をすべて得られたことになる。12月5日の臨時株主総会で株主の理解を得られれば、買収手続きは来年1月にも完了する。
巨額買収の武田と逆路線…外資傘下、中外製薬の生きる道
シャイアーが開発している新しい薬は武田の製品と似ており、買収が実現すると開発が進まない恐れがある。欧州委は、そう表明していた。このため武田は、該当するシャイアーの事業を他社に売ることを決め、承認にこぎ着けた。
シャイアーの買収総額は日本企業として過去最高の約460億ポンド(約6・8兆円)。買収によって、武田の売上高は製薬業界の世界トップ10に入る見込みだ。(箱谷真司)