衆院憲法審査会は29日、森英介会長(自民党)の職権で今国会で初めて開かれ、審査会の運営を協議する幹事を選任した。憲法審が職権で開かれるのは異例。与野党合意の慣例を破ったと反発する立憲民主党など野党6党・会派は欠席した。
憲法審には自民、公明両党と日本維新の会、希望の党、野党会派「未来日本」の議員が出席。野党6党・会派は出席の呼びかけに応じず、開会は予定より25分遅れた。野党との交渉役を担う自民の新藤義孝・与党筆頭幹事ら6人の幹事選任手続きのみにとどめ、自由討議や法案審査は行わなかった。
今国会で自民は、継続審議中の国民投票法改正案の成立と党の「改憲4項目」の提示を目指してきた。12月10日の会期末まで残る衆院憲法審の定例日は12月6日だけで、立憲など野党に憲法審の開催を呼びかける方針。新藤氏は会見で「4項目の提示を最後まで追求していきたい」と述べた。
だが、与党主導の憲法審開催に強く反発する野党6党・会派の国会対策委員長は29日、自民の森山裕国対委員長に「絶対やってはならない、おきて破りだ。憲法論議は100年は遅れる」(立憲の辻元清美国対委員長)などと抗議した。(磯部佳孝)