来年夏の参院選以降の定数増に伴い、参院が新たに国会内の参院議員会館に用意する議員3人分の事務所の工事費が1億8千万円余に上ることがわかった。今年度予算には計上しておらず、予算の使い道を変更しての対応が迫られる事態となっている。
今年7月に定数を2022年の参院選までに6増やす改正公職選挙法が自民と公明の賛成で成立。参院は半数改選のため、来夏の参院選後からは現行より3増えて定数245となる。国会法には議員に「事務室を提供する」との規定があり、国会に隣接する参院議員会館の会議室を新議員の事務所用に改修する工事が早期に必要になった。
ところが、参院の今年度予算約458億円は定数増に伴う工事費を想定しておらず、予備費も約500万円に過ぎない。
部屋のデザインなどが決まらず、今年度の第1次補正予算での要求は見送った。来夏に間に合わせるためには、安倍晋三首相が20日に指示した第2次補正予算案の成立まで工事の着工を待つ余裕はなく、予算を流用する必要があるという。財務相の承認が必要で今後折衝する方針。29日の参院議運委員会の理事会で、この問題への対応を話し合った。(久永隆一)