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荷車押す10歳「金が必要」 テロ組織の影、貧困続く街

イラク中部ファルージャは、アルカイダ系テロ組織の拠点となり、過激派組織「イスラム国」(IS)の前身が最初に占拠したイラクの主要都市だ。政府の対IS戦闘終結宣言から間もなく1年。街には失業者や貧困で通学できない子供が多く、再度の過激派浸透への懸念が消えない。


「学校には満足に通わせることができなかった」。13歳だった弟が4年前にISに加わったファルージャ出身の男性(35)は悔やんだ。当時は家族9人暮らし。大工の父(67)が2003年のイラク戦争で失業。生活苦から弟は物売りなどを手伝っていた。


弟はサッカーが好きな普通の少年で、政治や社会に関する話題を口にしたこともなかった。「弟には判断力が足りなかったかもしれない。ISの口車に乗せられたのだろうか」。音信はなく、生死もわからない。


ファルージャは旧サダム・フセイン政権の支持者が多く、米国主導の占領統治に激しい抵抗が続いた。混乱に乗じてテロ組織などが進出。貧困や失業に悩む若者たちを取り込んだ。


政府は昨年12月にISとの戦…


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