休業日明け6日の米ニューヨーク株式市場は、中国通信機器メーカー経営者がカナダで逮捕された事件を受けて米中関係悪化への懸念が広がり、大企業でつくるダウ工業株平均が続落した。前営業日比の下げ幅は一時、780ドルを超えた。ただ、米利上げが想定より緩やかになるとの観測から、取引終了にかけて下げ幅を縮小。終値は同79・40ドル(0・32%)安い2万4947・67ドルだった。
米国の要請を受けたカナダ当局が、中国の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕したことが報じられた「ファーウェイ・ショック」から一夜明けた6日、市場では米中通商交渉が難航するとの見方が支配的になった。株式相場は「ほぼパニック売り」(三菱UFJ銀行チーフ金融エコノミストのクリス・ラプキー氏)となり、中国ビジネスの比重が大きいメーカー株を中心に幅広い銘柄が値を下げた。
しかし、取引終盤にかけて米紙ウォールストリート・ジャーナルが「米連邦準備制度理事会(FRB)が近く、今後の利上げペースを緩やかに見直すと示唆することを検討している」などと報道。これを好感して市場では買い戻しの動きが急速に広がった。
ハイテク株の割合が大きいナスダック市場の総合指数は反発に転じ、前営業日比29・83ポイント(0・42%)高い7188・26で引けた。
前日5日はジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の国葬のため株式市場は休業だった。(ニューヨーク=江渕崇)